2008年01月21日

「神様のメモ帳」他、ラノベ感想

パラケルススの娘 7 (7) (MF文庫 J こ 2-7)
五代 ゆう
4840120455

終章に向けての前フリ的お話。
古典を織り込んだりとか、流石巧い。
五代さんは今まで中編が多かったのだけど、案外長編向きなのかもしれない。
人工生命って言うのは五代作品に散見するモチーフだし、そもそも本作のシシィのエピソードに似てるのだけども、
また違う着地点で、長編ならではの面白さ。

魔法使いとランデヴー (富士見ファンタジア文庫 38-24 ロケットガール 4)
野尻 抱介
4829119195

野尻さんはやはりこういうSF生活短編みたいなのが上手い。
書き下ろしの「魔法使い~」がめずらしく劇的で面白い。
野尻さん最近は「非燃焼系」の飛行ネタがマイブームなのかな?
ビジュアルがかっこいいので、アニメ続編を作って欲しいところだ。


神様のメモ帳 (電撃文庫 す 9-4)
杉井 光
4840236917

知人のレビューで興味を引かれたので購入。
近年のラノベに「非社会的で天才な少女と、凡庸で傍観者なボク」というモチーフが散見されるように感じるのだが、
それは「読み手」に、というよりも私と同世代であろう「書き手」の中にある「何か」の反映であり
当然それは僕の中のにもあるのではないかと、ボンヤリ思っていたのだが
その「何か」について一歩踏み込んで言及している作品。
こういうのがラノベの醍醐味だなあ。
ニート探偵と、その知人のニート達、高校生兼ニート見習いの主人公が活躍するミステリ。
と聞くと、「アームチェア・ディテクティブ」と「ニート」の合わせ技一本な軽いミステリかと思われそうだが
まあ、そうでもあるのだけれども、ミステリ要素は特にひねりがなく
むしろ、そうやってニートを肯定的に描いておいて、「自殺」「麻薬」等のアンチテーゼをぶつけて延々と主人公が内省していくのがメイン。
この議題を語るには「労働」と「貧困」の具体性が欠けているわけだが、そこが逆に高校生の気分を思い出させてくれて良いのだ。
内省系の人が思春期に通過するであろう思索を一通り網羅してあるので
お悩み中の方は読んでみると多少気分が変わるかもしれない。・・・無理か。

余談だが、「パラケルスス」と「神様」のイラストは同じ岸田メルさん。
「パラケルスス」開始当初は正直「ん?」と首をひねったのだけど
巻を重ねるごとにメキメキ上手いって、いつの間にか暖かく成長を見守る気持ちに(笑)
絵柄と相まって、素直ゆえに成長率の高い方なのかなあと思ったり。
迷子通信
24か・・・。若いなあ・・・。

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