2008年01月23日
おおきくなりません
おおきくなりません
白倉 由美 
私小説のようでいて非現実的なところもあり、様々な事が起こるが特に連続性を持つわけでも、劇的な展開を見せるわけでもなく、なんとも区分の難しい小説。
オムニバスっぽい私小説風味の日常物語ってかんじだろうか?
(私小説と思って読むとちょっとヒロインがチャーミングすぎるし、一人称の主である夫は某人物はわけで、それはそれでちょっと・・・)
特に描写等文章に目を見張るものはないが、ヒロインの奇人ぶりや料理のレシピ、大学風景等が妙に詳細でリアルで、それが物語に芯を通しているように感じる。
結構な割合で心象風景が描かれ、その中で回復や成長が描かれるという意味ではファンタジー(メルヒェンと言うべきか)に近いのかもしれない。
また、作家夫婦を通して「物語」自体への言及も多くて「メタフィクション」的なところもある。人と物語の関係に関してはかなり共感できる視点を感じた。
大人の「大人になれない気分」というものを扱ったという意味では目新しく、かつ実に身につまされる題材(笑)
30代にだって成長はあるんだもん!
そこを肯定するでも否定するでもないところが良い。おおきくならなくたって良いんだ!・・・ろうか・・・。
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