2008年04月10日

小説感想

精霊の守り人 (新潮文庫 う 18-2)
上橋 菜穂子
4101302723

アニメも好きだったんだが、これはそもそも原作が凄い。参った。
さっぱりとした読みやすい文章もよいが。
カッチリと構築された世界設定を、必要最低限しかひけらかさず、
かつ世界設定が物語りとガッチリかみ合っている。カッコイイ。
さらに何より、話が実に美味い。
女性視点の母性、少年の成長、いい歳の幼馴染ジリジリ恋愛と、ドラマも良いし
巻き込まれ型で始めて、追いかけっこ→生活ドラマ→謎解き→バトル
と展開が実に巧み。


シュレディンガーのチョコパフェ (ハヤカワ文庫 JA ヤ 6-1)
山本 弘
4150309140

遺伝性オタクの私だが、思えば始めて身内以外で、存在を意識したオタクというのは、山本弘さんなのかもしれない。
彼が本編と全く関係なく、あとがきで「ドリームシフトはいい!」とか言う話をしてたのは、私のメンタリティーに影響を与えているような、そうでもないような。
そんなわけで、この久々に読んだこの短編集の、オタク全肯定、オタクの夢満載っぷりは、ある種清々しく、その変わらない姿勢は懐かしく感じた。
無駄に高いテンションも、やや押し付けがましいテーマも、懐かしく、不快さは感じない。
十数年を経て現在、中高生の頃読んでいた作家と「カレイドスターの食玩出ないかな」という同じ夢を共有しているのは、なんだか素敵な事ではないだろうか?


セル 上巻 (1) (新潮文庫 キ 3-56)
スティーヴン・キング 白石 朗
4102193596

歳をとるごとに
場当たり主義的な演出、家族、世界に対するドライな絶望感
という傾向が強くなっていく、というのが
キング、スピルバーグ、宮崎駿に共通していると前々から思っていたのだが
本作もあからさまにそれを感じる。
序盤のパニック描写が秀逸。
年齢と911経験を経てキングの描写力はさらに磨きがかかって、「底が抜けた」くらいの印象。
ラストがちょっとハチャメチャだが、ディテールや心理描写でぐいぐい読ませて有無を言わせない。
上手く映画化されると良いのだが。

Comment on "小説感想"

"小説感想"へのコメントはまだありません。

Post a Comment

コメントする

(HTMLタグは使用できません)
ブラウザに投稿者情報を登録しますか?(Cookieを使用します。次回書き込み時に便利です。)
  •  
  •