2008年05月25日
キャラクターメーカー―6つの理論とワークショップで学ぶ「つくり方」
キャラクターメーカー―6つの理論とワークショップで学ぶ「つくり方」 (アスキー新書 62)
大塚 英志 
なんのかんのいって大塚さんのこの手の本は読んでるのだが、
やはり今回も我田引水と無駄吠えに食傷する。
興味深いところはありつつも、結局「物語論」論に過ぎなくなっている。
物語を理解するために、分類し系統付ける事を否定する気は無いが
その系統付けた理論から逆行して「物語」が出来るかというとそうではないはずだ。
本人もそれだけで話を作っているわけではないのだろうが
ちょっと自家中毒的に後付の自作分析を自分で思い込んでいるのではないか。
こういった理屈はある程度距離を置いて「そういう考え方もある」くらいのほうが良いのだが
硬質な理論を若い頃は求めたくなるもので、多感な美大生にこんな事教え込んで大丈夫か、他人事ながらやや心配になった。
読むなら他のハウツー本もあわせて読む事をオススメしたい。
本著でやたら引用される宮崎駿は、この手の話が大っ嫌いで
(モンタージュ理論を一蹴するような人なのだ)読めば眉をしかめる事だろう。
中盤のトトロ論評もやや暴論だ。文化論的な宮崎作品論評にはもうウンザリ。
トトロが面白い理由の大部分はそこじゃない。
私見だが、キャラクターを旧来の「主人公」単体の魅力と、その「敵対者」等の一対一の関係性だけで語る事にもはや無理があるのではないだろうか。
「ソールイーター」の「マカ」を、「はじめの一歩」の「一歩」のキャラクター性を、彼等個人だけで語れるだろうか?
もっと複雑な全体的の入り組んだ関係性の中で一見無個性な主人公が引き立つ、というのが今日的な「キャラクター」の在り様なのではないだろうか。
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