2008年06月25日
ラノベ感想
とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫 い) (ガガガ文庫 い 2-4)
犬村 小六
話題になっているのは知らないで、ジュンク堂ラノベコーナーの選書を信じて購入。
信者の妄想だと思ってもらってもいいのだが、著者は狙いというより素直に宮崎駿が好きなのだろう。
「憧れる人」が「憧れる物」に憧れる、「メタ憧れ」といった気持ちは非常に良く理解できる。
世の中には宮崎アニメ崩れの死屍累々である事を考えると、稀有な成功例だといえる。
「予定調和の心地よさ」が良い。「予定調和」が必ずしもネガティブじゃない事を再確認。
やりたい話から逆算して、半ば力技で作った世界設定がズルイ。
こういうことが成立してしまうのは、ラノベの特色のひとつではないだろうか。
これがSFレーベルから出せるかというと、ちょっと難しいんじゃないか。
DRAGONBUSTER 1 (1) (電撃文庫 あ 8-13 龍盤七朝)
秋山 瑞人
すっかり「シリーズ途中で投げ出す作家」に仲間入りの秋山さん。
あとがきでも一切謝らない清々しさ。
とはいえ久々の新作は流石に面白い。密度が高い。
心理的な機微を描くのが巧いなあ。
裏路地をすすむがごとく入り組んだ、鼻に付かないラブコメ展開。
お馬鹿でもなく、わがままでもなく、変人お嬢様というヒロイン像が新鮮な可愛さ。
劇中劇との絡みなんかも良い。
わりと構成的な作家だという印象があるので、今回が壮大なフリで次巻で血みどろバトルと共に、見事に落としてくれるんじゃないかと期待。
余談だが、連続で読んだ両作共に主人公が「被差別人種」というのが興味深い。
「身分違いの恋」というのは定番とはいえ、ライトノベルは(イリア、戯言等)「平凡な僕」と「特殊な彼女」という構成が多いような印象がある。
以前「アニメブームは格差社会の反映」という話があったが、これも格差社会の影響なのかな?とおもったりした。
今の中高生は、努力ではどうにもならない格差のある世界の方が感情移入しやすいのだろうか。
むしろそういった世界設定に癒される傾向があるのかな。
二作品だけを例に、しかも現代ものとファンタジーを比較するのは暴論だと思うが。
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